今回は、地震保険の支払い方についてお伝えさせて頂きます。
東日本大震災において、私の御客様の中でも被害に遭われた方は多くいらっしゃいます。
東京でもマンションにお住まいで家財道具が壊れてしまったり、戸建の建物の基礎に
ヒビが入ってしまったりというご報告を受けております。
実際、私の家でも食器が壊れたり、家電が転倒したりしました。。。
地震保険についての支払方は、通常の火災保険とは違い、ちょっと特殊な物になってます。
地震保険では、保険の対象である建物または家財が全損、半損、または一部損となったときに保険金が支払われます。
つまり、区分が3つ しかありません!!
3つのうちの、どの区分かという事が分かり次第、保険金額を受け取って頂く事が出来ます。
その3つの区分が下記の通りです。
建物・家財
全損の場合 :ご契約金額の100% (時価が限度)
半損の場合 :ご契約金額の50% (時価の50%が限度)
一部損の場合:ご契約金額の5% (時価の5%が限度)
例:建物火災保険金額2000万円、建物地震保険金額1000万円
全損の場合 :1000万円
半損の場合 : 500万円
一部損の場合: 50万円
を受け取って頂く事が出来ます。
次に、全損、半損、一部損の基準です。
<建物> 基準
全損:地震等により損害を受け、主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価の
50%以上である損害、または焼失もしくは流失した部分の床面積が、その建物の
延床面積の70%以上である損害
半損:地震等により損害を受け、主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価の
20%以上50%未満である損害、または焼失もしくは流失した部分の床面積が、
その建物の延床面積の20%以上70%未満である損害
一部損:地震等により損害を受け、主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価の
3%以上20%未満である損害、または建物が床上浸水もしくは地盤面より45cmを
こえる浸水を受け損害が生じた場合で、全損・半損に至らないとき
<家財> 基準
全損:地震等により損害を受け、損害額がその家財の時価の80%以上である損害
半損:地震等により損害を受け、損害額がその家財の時価の30%以上80%未満
である損害
一部損:地震等により損害を受け、損害額がその家財の時価の10%以上30%未満
である損害
ここで、上記において『時価の・・・』と書かれておりますが、地震保険の場合、いくら損害が
出たかという事が問題ではなく、いくつの品目(割合)が被害が出たかという事が基準となります。
つまり、1つ100円のコップも、10万円するバカラのコップが壊れても『コップ1つ』が壊れたという
考え方になります。金額は関係ありません。
通常の火災保険等では、どの程度被害があったか、修理にはいくらかかるかというものが基準
になりますが地震保険の場合、上記のパーセントの数字は、家財については家にある家財
のうち、何割損害が出たかという考え方になります。極端な話、建物であれば、家の柱が
10本あった場合、そのうち1本に損害が出た場合、柱については20%の損害が出た
という考え方になります。
どうしても、高いものが壊れた場合は被害が大きいと思われ、逆に安いものだけが壊れた場合は
大した被害では無かったと思われてしまいがちですが、地震保険の支払い基準においては
考え方が違います。
私の御客様の中でも、お話を聞かせて頂くと、意外と被害(割合)が大きく、きちんと地震保険
についての保険金を受け取って頂いた方も多くいらっしゃいます。
皆様がご加入されている火災保険(地震保険)のご担当者様からはこのようなお話をお聞きに
なりましたでしょうか?
次に、保険金をお支払いできない主な場合です。
○故意もしくは重大な過失または法令違反による損害
○地震の発生日から10日以上経過後に生じた損害
○戦争、内乱などによる損害
○地震等の際の紛失・盗難の場合
かみくだくと、嘘を付いて損害が出たというものや、火事場泥棒ならぬ地震時の泥棒等は
お支払の対象とはなりませんという事です。
10日以上経過後に生じた損害というのは、地震が原因かどうかが分からない損害とい事に
なりますので、お支払の対象とはならないという事だと思います。
10日後に、発覚したもの(例:3月21日に被害が分かった)であれば、被害自体は
地震当日の損害という事になりますので、お支払の対象にはなってきます。
次回は、保険料についてお伝えします。