歴史で見る関東の地震

 首都圏に甚大な被害を及ぼすマグニチュード(M)7級の首都直下地震。

東日本大震災の影響で発生の懸念が強まる中で、揺れは最大で震度7に達することが

文部科学省の調査で明らかになっています。

国は年内にも新たな被害想定を作成する計画で、防災対策の強化が急務というお話は

何度もさせて頂いておりますが、実際はまだまだといったところが実情のようです。                   

 関東地方は地震の多発地域で、江戸時代以降の約400年間にM7~8の大地震が

十数回も起きています。発生時期には波があり、相模トラフで起きるM8級の

海溝型地震(関東地震)の数十年前に、ひとまわり小さいM7級の直下型が

頻発するのが特徴的なようです。

 関東地震の一つである大正12(1923)年の関東大震災(M7・9)では、

発生の約70年前にそれまでの静穏期が終わって活動期に入り、M7級が多発。

大震災後は再び静穏期に戻りました。

同じ関東地震である1703年の元禄地震(M8・1)でも同様の傾向がみられます。

 関東地震の発生間隔は最短で約200年とされています。

関東大震災後の経過年数はまだ約90年ですが、

先行するM7級は十分に警戒すべき時期にきているのは確かなようです。

 政府はこのM7級を首都直下地震と呼び、次の関東地震が起きるまで数回の発生を予測。

明治時代以降に起きた計5回のM7級を基に、今後の発生確率を30年以内に70%、

50年以内に90%と推定し、最悪で死者1万3千人、

経済損失112兆円の被害を予測しています。

数字が大きすぎてピンとこないという感じですが、被害想定も、ご自身ごとでも

検討しておくことも、被害を最小限に食い止める一つの手段ではないでしょうか。