東京都が18日に発表した首都直下地震(東京湾北部地震)の新たな被害想定では、
前回2006年の試算時より建物の耐震化が進み、倒壊や焼失の被害は減少しました。
しかし、揺れが大きくなるため、耐震化や耐火が遅れている木造住宅密集(木密)地域の
被害は倍増することになりました。
こうした地域が減らないのは、複雑に入り組んだ「私権」の壁があるためだそうです。
都が作成した東京湾北部地震による都内の被害分布図によりますと、23区では
東部と西部ともに、JR山手線から環状7号線付近にかけて、
倒壊や火災による大きな被害が出ることを示す赤や黄のエリアが広がる。
「強制力がないと対策は進まない。1人の反対で9人の命を危険にさらすわけにはいかない」。
都都市整備局の幹部は、首都防災で最大の弱点とされる木密対策への決意を表しました。
都は30年以上前から建て替えへの助成など木密地域の対策を講じてきましたが、
耐震化率や燃えにくさを示す不燃化率は、依然として他の地域よりかなり低いそうです。
対策が進まないのは、土地・建物の権利関係が複雑なケースが多く、
地権者が1人でも「資金がない」「必要性を感じない」と反対すると建て替えられないためだそうです。
このため、都は耐震化・不燃化を一気に進めようと、今年度から、耐火住宅への建て替えを
強制的に進める制度を導入しました。
「特区」(目安20ヘクタール)に指定したエリアで建て替え助成金をアップし、
固定資産税を減免する一方、建て替えに同意しない人がいても土地収用法に基づく
強制収用を適用するそうです。延焼防止のため道路も広げる見込み。
8月中に3地区程度を選び、本格的に動き出すようです。
こうした動きに戸惑いもある行政もあるようですが、ここまで強く都が出ているのには
それだけリスクがあるという事です。
地震では、実際の揺れでの被害もありますが、それよりもその後の火災が怖いものです。
地震は広範囲で起きます。
同時にボヤ騒ぎも各地で起きてしまいます。そうなると消火活動もなかなか手が
回らないような場所が出てきてもおかしくありません。
決して消防隊が消したく無いわけではありません。行くに行けない状況が
出来てしまうのです。
燃え広がった火を消すのは危険が伴います。
このリスク、地震保険でないとカバーされません。。。