都防災会議地震部会が先月18日公表した首都直下地震による被害想定見直しで、
多摩地域の多くの自治体は、新たに想定対象となった立川断層帯地震が引き起こす
被害に注目しました。多摩直下地震も2006年の想定を大きく上回る被害が示され、
各市の担当者らは今後、地域防災計画の見直しなどに取り組む見込みです。
立川市はこれまで、2006年の多摩直下地震の想定を基に防災計画を立ててきました。
しかし、立川断層帯地震の想定は、死者や全壊棟数、ライフラインなど、
すべての被害が多摩直下を上回ってしまいました。
市防災課は「最悪のシナリオとして数字を出していると思う」と話しています。
今後の計画見直しでは、道路・橋の整備や火災から身を守るオープンスペースの確保などの
減災対策と、支援が必要な人を地域ぐるみで支える体制などが重要とみています。
さらに「立川断層に漠然と不安を感じていた市民も多いと思うが、断層の上だけでなく
かなり広い範囲に被害が及ぶ想定になっている。
自宅の耐震化など、地震に備えるきっかけにしてほしい」と話しました。
隣の国分寺市も、立川断層帯地震の想定が多摩直下の想定を大きく上回っています。
市くらしの安全課は「予想はしていたが、それ以上だった」と受け止めています。
東日本大震災を受けて、昨年10月から防災計画見直しを進め、
帰宅困難者に対応する公共施設の指定やJR東日本との連携、要援護者の迅速な
安否確認などの支援、避難場所の再検討などに取り組んできました。
「水や食料などの備蓄品、避難所確保、災害対応職員の体制強化など、
新しい被害想定に基づく見直しは大変な作業になるだろう」と見通しを示しました。
市の西側を断層帯が延びる府中市は、中心部を境に西側が震度6強、東側が同6弱とされました。
市防災課は「立川断層帯は脅威と捉えています。
市内で震度が異なるので、地域ごとの対応が必要になると思う」と指摘しました。
06年想定での八人に対し、立川断層帯地震では死者が百人を超えるとされたあきる野市。
地域防災課は「数字の根拠の詳しい分析が必要。数字に惑わされず、見直しの準備をしている
防災計画に的確に反映したい」としました。
冬の午後6時に多摩直下地震が起こった場合に、多摩地域で最多の四百人を超える死者が
想定された八王子市。
野口庄司・防災課長は「むしろ今までの想定が少なかった。想定外をつくらないという
教訓が生かされた数字だと思う」と受け止めました。
特に冬の午前5時に発生した場合の想定は、死者数が06年の86人から477人に増えました。
原因のほとんどが家屋の倒壊などで「耐震化や家具の転倒防止の自助努力で減らせる数字だ」と指摘。
補助制度の積極的な活用を呼び掛けたいとし、
「行政の制度を知らせる努力と、市民が利用する努力をかみ合わせていきたい」と力を込めました。
町田市防災安全課の原岩男課長も「想定外をなくす意味もあり、より現実的な数字になった」
と印象を語りました。市がこれまで重視していた多摩直下地震のほか、
元禄型関東地震でも大きな被害が想定されていると受け止めました。
三鷹市の防災課は「立川断層から距離があるので、多摩直下より被害は少ないと思っていた。
これまでも多摩直下に備えていれば、立川断層帯にも対応できるとしてきたが、
その通りだったようだ」と話しました。
武蔵野市防災課は「二十七日に市の防災会議がある。今回の想定を今後の検討材料としたい」
と話しています。
今後、この想定の見直しによる、各行政の動きが変わってくる所だと思います。
もちろん、行政のやるべき事もあると思います。
しかし、個人でもやれる対策は数多くあると思います。
非常用袋の準備、確認。家族間での連絡の確認方法や避難場所の確認。
転倒しやすそうな家具は、固定器具や防震材等で補う事もその一つだと思います。
また、大切な財産を守る為の保険の確認もこの機会に是非行ってみて下さい。