東日本大震災を受け、群馬県が昨年度から実施している「地震被害想定調査」で、
詳細な結果が25日、公表されました。
群馬県内で予測されている三つの地震のうち、最大のマグニチュード(M)8・1の地震で、
死者3133人、負傷者1万7743人、全壊・全焼家屋7万2012棟の被害を想定。
阪神大震災後に行ったM7の地震を前提とした従来の予想を大きく上回る内容となりました。
群馬県は、調査結果を基に、防災戦略の策定などの対策を進めるそうです。
群馬県によると、地震が予測される「関東平野北西縁断層帯主部」(最大M8・1)、
「太田断層」(同M7・1)、「片品川左岸断層」(同M7)の3つの活断層は、
いずれも離れており、同時に地震が起きる可能性は、ほぼないと予測しています。
その為、断層ごとに分けて被害を想定しました。
関東平野北西縁断層の地震は30年以内の発生確率がほぼゼロだが、
他の2断層は調査が進んでおらず、発生確率は「不明」としました。
今後の調査でまた変わって来る可能性もあります。
被害想定は、阪神大震災の発生時刻に近い冬の午前5時、
住宅内の滞在者が最も少ない夏の正午、火気の使用が一番多い冬の午後6時の
3つの時間帯で行い、死傷者や倒壊建物数に加え、避難者数、土砂災害、
経済被害についても予測しました。
死傷者が最悪となるのは、関東平野北西縁断層による地震が、阪神大震災と同様、
冬の早朝に発生した場合だそうです。
家で寝ている人が多いため、住宅倒壊や家具の転倒で死傷者が拡大し、
約3130人が死亡するとの予想。
住宅密集地が多く、震度7が想定される高崎市での死者は1025人と予想しました。
実際に起きてしまうと、このような被害が出てしまうとなると、天災は恐ろしいです。
一方、関東平野北西縁断層による地震が冬の午後6時に発生した場合は、
暖房などを使っているため、火災が増え、県内全域の焼失棟数は
1万2968棟に上る見込みだそうです。
避難者は、発生翌日が最も多く、約54万人。交通機関がストップすることから
徒歩による帰宅者が約113万人となり、帰宅困難者は約14万6000人と推測。
建物の焼失などで、直接的な経済被害額は3兆2000億円と推計しました。
冬の早朝に太田断層による地震が発生した場合には死者1133人、
負傷者7874人、同様に片品川左岸断層による地震では死者23人、
負傷者85人と想定している。
また、県内には木造建物が90万棟あり、総建物数の約8割を占めます。
このうち47万棟は、耐震性の基準が厳しくなる前に建てられた建物で、
強度が不足している可能性もあるとの事です。
地震での被害として比較的少ないイメージのある群馬県ですら、
このような被害予測が出されている事が驚きです。
出来る対策を考える事でも違ってくると思います。