7月に長野県で起きた震度5弱の地震が、専門家の注目を集めているそうです。
江戸時代後期に今回の震源地近くで起きた地震の後、南海トラフや首都直下で
大地震が相次いで発生。同じような連鎖地震が起きてしまう可能性があるといいます。
東京での大災害につながる引き金になってしまったのかどうかは分かりません。。。
気象庁によると、10日午後0時48分ごろ、長野県北部を震源とする
マグニチュード(M)5・2と推定される地震が発生、
周辺地域で最大震度5弱を観測しました。
震源の深さは約9キロで、活断層で形成される「信濃川断層帯」の近くで起きました。
実は、この断層帯で1847年、8600人超の死者を出した
「善光寺地震」(M7・4)が発生している所です。
専門家は10日の地震が、信濃川断層帯を刺激し、善光寺地震と同タイプのものを
誘発させないかと警戒しているそうです。
注目すべきは、善光寺地震とその後の連鎖。
善光寺地震の約7年半後、南海トラフの東端を震源とする
安政東海地震(M8・4)が発生。その32時間後には
安政南海地震(M8・4-8・5)が続きました。
さらに翌年には、江戸の街を襲った唯一の直下型地震である安政江戸地震(M6・9)
が起こっています。これらの地震は3つまとめて『安政三大地震』と呼ばれています。
安政三大地震ではそれぞれ甚大な被害が出てしまいました。
安政東海地震では現在の静岡県、山梨県で震度7の地域があったといわれ、
房総半島から四国まで最高10メートルの津波が発生。
犠牲者は3000人規模といわれております。
続く安政南海地震でも津波被害は広範にわたり、大阪の中心地が川を遡上(そじょう)した
波にのまれました。合計で数千人の死者が出たとされています。
さらに、荒川の河口付近が震源といわれる安政江戸地震は、
人口密集地となった大都市を直撃。日比谷や大手町、神田などで大名屋敷が倒壊した
との記録が残され、死者は4000人に及んだといいます。
東京都では4月に発表した首都直下地震による被害の新想定で、安政江戸地震に似た
東京湾北部地震(M7・3)を、被害の前提となる想定地震の1つにしています。
最大震度7、最悪ケースでは死者9700人と推計。
そのうち、火災による死者は4100人に及ります。
やはり地震は直接の揺れでの被害も怖いですが、その後に起こる火災について
一番警戒すべきなのではないでしょうか。
付近一帯であちこちで火災が起きたと仮定したら、消火活動が遅れてしまうのは
明らかです。塀等の倒壊で消防車が来れない等も考えられます。
首都直下地震をめぐっては今年に入り、4年以内に50%以下の確率で発生する
との一部研究が報じられ、関心を集めました。
地中の動きに何らかの法則があるならば、歴史は大いに参考となると思われます。
『歴史は繰り返す』
とも言いますが、それならば過去に学び、今のうちに出来る事をやっておく
というのが懸命なのではないでしょうか。