昨年5月にスペイン南東部の地方都市ロルカを中心に大きな被害が出た
マグニチュード(M)5・1の地震は、長年の地下水くみ上げに伴う地盤沈下が
引き起こした可能性が高いとする研究結果を、カナダやスペインのチームが
22日付の英科学誌に発表しました。
この地震は深さ2~4キロと非常に浅い場所で断層が動いて被害が拡大しました。
チームはコンピューター解析で、局地的な地盤沈下によって
地殻に異常なゆがみが生じていたことを確かめております。
高圧の水を地中に送り込む新型天然ガス「シェールガス」の採掘や二酸化炭素(CO2)を
地中に貯留する手法など、新たな技術にも警鐘を鳴らす内容。
チームは「地震が発生しやすい場所で地中に人為的な変化を与えると予想外の影響が出る」
と指摘しています。
チームは、ロルカ南方の盆地の下にある帯水層を中心に、
地下水位が1960年代から約250mも低下したことに着目。
南側の地盤が沈下することで年々ゆがみがたまり、北側の地盤が乗り上がる逆断層型の
地震が浅い場所で起きたとみられると結論づけました。
地震は2011年5月11日に発生。
チームによると、建物が倒壊して百人以上の負傷者が出たほか、9人が死亡しました。
スペインでは1956年以来の被害規模とされております。
何が原因で天災による被害が拡大するか分かりません。
自分で防ぎようの無い問題もあるかもしれませんが、少なくとも
御自身で出来る『防災』はしっかりとしておきましょう。