日本時間の28日昼すぎに、カナダの西海岸付近で起きた大地震で、
震源のほぼ西にあたる日本の沿岸では津波が観測されなかった一方、
震源から南西の方角にあたるハワイでは高さ70センチ余りの津波が押し寄せました。
海底の断層がずれ動いた向きなどが津波の伝わり方に影響したと見られています。
気象庁によりますと、今回の地震の震源地付近は、「太平洋プレート」という海底の岩盤が
陸側のプレートの下に沈み込んでいる影響で、普段から地震活動が比較的活発です。
気象庁は、地震発生の直後、震源地周辺の海域の潮位のデータを監視していましたが、
大きな変化は観測されず、コンピューターによる推計でも日本に高い津波が
押し寄せるおそれはないと判断されたことから、28日午後2時半すぎに
「日本への津波の影響はない」と発表しました。
結果的に、日本の沿岸では津波は観測されなかったようです。
一方、ハワイにある太平洋津波警報センターによりますと、地震のおよそ6時間後、
震源から南西におよそ4000キロ離れたハワイのマウイ島では
最大で76センチの津波が観測されました。
アメリカ地質調査所の分析では、今回の地震は北西から南東にのびる海底の断層が、
断層の垂直方向の南西または北東の方角へずれ動いて起きたと見られています。
津波の大きさは、断層がずれ動いた向きに影響を受けることから、気象庁は、
今回は南西の方角に当たるハワイにより大きな津波が押し寄せたと分析しています。
ハワイでは、太平洋沿岸の離れた地域で起きる大きな地震で
過去にも繰り返し津波の被害を受けていて、気象庁によりますと、
去年3月の東北沖の巨大地震の際には、1メートルから2メートルほどの津波が
観測されていました。
津波が遠く離れた日本まで来るかもしれないと心配しなければならない程、
地震のエネルギーは膨大なものなのだと思い知らされました。