JR東海は先月23日、大地震発生時に東海道新幹線の列車を緊急停止させる
「地震防災システム」の強化を発表しました。
東海、東南海、南海の巨大連動地震や、活断層などによる直下型地震に現行より
早く対応でき、来年7月までに工事を終える予定だそうです。工事費は計3億6千万円。
東京―名古屋間で2027年開業を目指すリニア中央新幹線計画にも同システムを導入する方針。
同社は現在、直下型地震を想定し、東海道新幹線・東京―新大阪の線路沿い50カ所に
独自の地震計を設置。主要動(S波)を検知して震度4程度の揺れを観測した場合、
緊急停止させています。
沿線から離れた茨城や福井、兵庫県などの21カ所にも地震計を置き、
S波の前の初期微動(P波)を検知。同新幹線で震度5弱程度に達すると予測した場合も
緊急停止させ、08年からは気象庁の緊急地震速報も併用したシステムにしています。
巨大連動地震に関する内閣府の有識者検討会が最大級の想定震源域を
約6万平方キロから約11万平方キロに拡大したのを受け、
同社はシステムの機能強化を判断。想定震源域内でマグニチュード(M)7以上の
地震が発生した場合、「連動型」に拡大すると見なして列車停止させる運用に変更するそうです。
東日本大震災の震源域でM7・5以上の地震が起きた場合も停止させるといいます。
線路沿いの地震計でも、列車走行に伴う微震動とP波を区別できる技術開発に成功。
現行のS波検知方式の1~2秒前に、列車停止指令を出せるようになったため、
「直下型」への対応も強化できたとしています。
同社によると、現行新幹線は時速270キロから緊急停止するのに約90秒、
リニアは時速500キロから同程度の時間で停止させられるといいます。
確かに、新幹線よりも早い乗り物として便利である事は間違いありませんが
その代償に危険がある・・・となってしまっては意味がありません。
リニア開業まではまだまだ先の話ですが、その頃には万全な地震対策が
施された、安全な乗り物として走っている事を願います。