漂流物にも注意を津波はあらゆるものを押し流す。
遡上した津波がもたらす流れは、破壊された建物・車両・打ち上げられた船舶などの他、
陸上にあったさまざまなものを巻き込んで進行するので、
破壊力は海水だけの時よりもさらに大きくなります。
コンクリート造りの建物や護岸を破壊し、海岸を浸食し、
いつもの景色を一変させてしまうこともあります。
繰り返し襲ってくる津波津波は、数日間続く場合も。
津波は、ほとんどが一回の地震によって引き起こされた海面変化が伝わって来るものですが、
1回限りではなく、何度も繰り返し来襲します。
初めに到来した波(第1波)が一番高いとは限らず、第2波、第3波、
あるいはそれよりも後で第1波から数時間以上経過してから最大の波が到来することもあります。
したがって、最初の波が大した高さでなくても後から来る波に対して油断はできません。
津波は、様々な周期の波の集合なので進行速度にバラツキがあります。
次々と広がった津波は、比較的単純な地形である深海域の最短経路を進んでくる波だけでなく、
別の海岸で反射してくる波、水深変化が複雑な海域(伊豆海嶺や伊豆小笠原海溝など)を
経由して来る波などがあります。
そのため、津波の伝わる速度や経路によって、海岸に早く到達する波と遅れて到達する波があり
最初の波が一番高いとは限りません。
湾内に入った津波が海岸で何回も反射(振動)したり、
いくつかの波が重なり合ってより高くなることもあります。
津波の時の満潮と大潮満潮と大潮の情報にも注意を。
海には潮の満ち引き(潮汐 ちょうせき)があり、干潮と満潮を1日にほぼ2回ずつ繰り返しています。
津波の予報時には、津波の高さと到達時刻に加え、各地の満潮時刻も伝えられます。
同じ高さの津波でも、干潮よりも満潮の方が危険性は高くなります。
また、新月または満月の頃に起こる大潮の時には、潮の干満の差が最も大きくなり、
満潮時の潮位が高くなるため、さらなる注意が必要です。
また、海外で起こった地震の津波が、日本まで届く場合もあります。
この場合、日本で地震の揺れを感じなくても、
満潮や大潮の影響で大きな津波が日本に襲来する危険性があります。