浸水域/浸水深/遡上高

今日も津波についての知識です。

津波が海岸に到達し堤防や護岸を越えて陸上に遡上すると、

遡上する前の津波の高さ(津波高)の他に、

浸水域・浸水深・浸水高(痕跡高)・遡上高等の情報が発表されます。

浸水域

浸水域とは、津波が氾濫して浸水した範囲をいいます。

場所によって土地の高さが違うので、

それぞれの場所において氾濫した水の深さを浸水深といいます。

一般に標高が低い場所ほど浸水深が大きくなります。

ハザードマップなどで予測される浸水深の分布を地図上に示したものが浸水予測図です。

浸水高(痕跡高)

津波による浸水で構造物の濡れた部分が変色したり、草木や地表面が変形変色したりして、

写真のようにその部分まで浸水した後(痕跡)として残ることがあります。

この最大の高さを浸水高(痕跡高)といいます。

遡上高

津波による浸水の最先端が達した地盤の最大の高さを遡上高といいます。

浸水高(痕跡高)と遡上高は、津波来襲時(直前)の潮位を基準にし、

正味の津波の高さを表します。

浸水深、浸水高、遡上高と地盤の関係は以下の図のようになります。

このような浸水深、浸水高、遡上高といった、津波が残した爪あとからも、

改めて津波のもたらした被害の大きさを知ることができます。

津波の高さ(津波高)は検潮所や波浪計によって海上で測った潮位の高さですが、

浸水深・浸水高・遡上高は陸上での潮位(水位)を測ったものです。

混同しないように注意しましょう。