鉄筋コンクリートのマンションは燃えるの!?
鉄筋コンクリート造(RC造)のマンションにお住まいの方からよく言われる事があります。
『鉄筋コンクリート造のマンションなんだから、火災で燃えないでしょ?』
確かに、コンクリートそのものは燃えません。
しかし、お住まいになっている部屋の内側(壁)は燃えます。
ほとんどのご家庭がプラスターボードと言われている芯が石膏質でその外側は紙で出来ている板に
壁紙を貼った状態となっております。
燃えにくい素材ではありますけれども、火事になった場合は燃えます。
それでも、木造の建物よりは燃えにくいイメージがあると思います。
確かに、建物そのもの(躯体)は燃えにくいと思います。
コンクリートで出来ているのでそのものが燃えるという事は考えにくいですね。
なので、火災の保険料も、木造の建物と鉄筋コンクリート造の建物とでは大きく変わるものなのです。
マンション火災保険の加入は必要?
では、何故鉄筋コンクリート造の建物でも火災保険に入る必要があるのでしょうか?
実は、鉄筋コンクリート造のマンションで火災が起こってしまった場合、何が一番被害があると思いますか?
消防署の方にお話しを伺った事があるのですが、火災の火そのもの・・・というよりも、火災が起きてしまった時の消火活動での『水』で被害があるそうです。
部屋の内側に貼ってあるプラスターボード(石膏ボード)、実は水には非常に弱いものです。
耐水性のある物もありますが、通常、マンションの内側壁に使われているボードは耐水性の無い物です。
つまり、火災を起こしてしまった場合、当然消火活動によりあの強力なホースから
火元となったお部屋に大量の水をけるのです!想像できますか??
部屋の中で激しくビールかけをしている状態です!
となると、中にある電化製品等もどうなってしまうか、何となく想像つきませんか?
そうです!びしょぬれになって使い物にならなくなってしまう事、間違いありません。
さらに火元になった部屋だけではなく、消防隊は当然延焼を防ぐ為にも周りの部屋にも水を大量にかける訳です。
たまたま火元になった部屋の上の階に住んでいたり、また下の階や横に住んでいた場合、知らぬ間に部屋の中がびしょぬれ・・・
昔は、火消しというのは建物を壊して延焼を防いでいたようですが、
現代のマンションでは、もちろんそこまで出来ませんので、水をかけるしかありません。
また、延焼を防ぐ効果のあるものとしてバルコニーがありますが、
やはり火はかなりの距離を回り込んで来たりするそうなので、どうしても火元となった部屋の周りには水をかけざるを得ないのです。
やはり火災保険は必要?
では、火元とならずに済んだお部屋にお住まいの方。
使い物にならなくなった家電製品はどうしますか?
火元になった方へは、前回ご紹介した記事(失火責任法とは?)の通り、
重大な過失が無い限り、受けた被害に対しての賠償請求は出来ません。
そのことから、ご自身の財産はご自身で守る必要があるのではないでしょうか?