強力な温帯低気圧に変わったハリケーン「サンディ」による深刻な洪水被害を受けた
米最大都市ニューヨークの復興は、市民の重要な足となっている市営地下鉄の復旧が急がれています。
しかし復旧には数週間かかるとの見方もあり、31日までに米経済への悪影響を懸念する程です。
米東海岸などでは同日までに、暴風雨や洪水で交通機関や電力供給を中心に被害が拡大、
AP通信によると、死者数は少なくとも50人に達してしまったようです。
平日に850万人以上が利用するニューヨークの市営地下鉄、
バスは、全米最大の公共交通機関。車中心社会の米国では異色の存在で、
これが復旧しないと、市民の通勤、通学は非常に困難のようです。
対岸ニュージャージー州へのサンディ上陸に備えた28日夜、
市営地下鉄は一斉に運休。米メディアによると、洪水でマンハッタン島とブルックリン地区を
イースト川の下でつなぐトンネル7本が全て海水で冠水。
うち何本かは依然、内部に海水が入ったままだそうです。
海水の塩分で電気系統、信号、レールなどへの被害が拡大。
ブルームバーグ市長は「4、5日」で復旧にこぎつけたいとの考えを示しましたが、
電気機器などは、海水が引いた後に部品をばらして洗浄、テストする必要があり、
地下鉄などを運営する都市圏交通公社(MTA)は「数週間かかる可能性がある」としました。
かつてニューヨーク州が行った研究は、今回と同規模の洪水では90%の復旧まで
4週間必要と試算。交通インフラへの損害を100億ドル(約8千億円)、
関連する経済損失を400億ドルと見積もっています。
ライフランイの復旧にもまだかかるそうですし、住宅の被害も
甚大な物になっているようです。
自然災害は、いつどのような形で起こるか分かりません。