内閣府が29日に公表した南海トラフ巨大地震の被害想定によると、
静岡県内の被害が最大になるケースの場合、死者10万9千人、全壊家屋が32万棟
という甚大な被害想定が示されました。
いずれもその大半が津波による被害で、下田市では最大33メートルの津波高が想定され、
全国で2番目に高い数値になっております。
御前崎市の浜岡原発周辺の津波高も19メートルと、中部電力が建設中の海抜18メートルの
防潮壁を超えることが改めて示され、今回の内閣府の想定が、県が策定中の第4次地震被害想定や
浜岡原発再稼働の議論に影響を及ぼすことは必至となります。
内閣府は3月、南海トラフ巨大地震の揺れと津波高の想定を公表しましたが、
今回は人的・物的被害を都道府県別に算出。津波高も海岸線を前回の50メートル単位から
10メートル単位とより詳細に分析しましたた。
それによると、本県の被害が最大になるケースでは、静岡市、浜松市、御前崎市など
県中部・西部の15市町で震度7、県東部と伊豆半島の18市町で震度6強の揺れが予想され、
3月の想定よりも震度7の地域が拡大しました。
県内の人的被害が最大になるのは、冬の深夜に地震が起きた場合で、
建物の倒壊により1万3千人、津波により9万5千人など、
計10万9千人が死亡するとされました。
想像を絶する数字です。
現在の防災指針となっている県の第3次地震被害想定では、建物倒壊の死者は4646人、
津波の死者は227人など、死者は計5851人とされており、まさに桁違い。
県危機管理部では「非常に大きな値の死者数だ」と危機感をあらわにしているそうです。
家屋への被害も、第3次被害想定では19万棟あまりとされましたが、
内閣府の試算は、およそ1・5倍になっています。