横浜市は7年ぶりに地震の被害想定を見直し、17日、公表しました。
新たに元禄関東地震(1703年)の再来を想定に加えた結果、
震度6強以上の面積が1・3倍に広がりました。
火災で焼失する建物は約8万棟と前回の11倍に。
耐震化が進み、死者数はわずかに減ったが、3263人にのぼりました。
最悪のケースとして前回は関東大震災型(M7・9)を想定しましたが、
今回は同じ相模トラフを震源とする元禄型(M8・1)を加えました。
東日本大震災を受け、2千年に一度の最大クラスを考えたようです。
元禄型では、横浜駅や関内駅の周辺など中心市街地が震度7の揺れに襲われ、
震度6強も沿岸部全域に広がります。
揺れの強い地域と木造住宅密集地が重なったことで、冬の午後6時に起きた場合、
7万7654棟が焼失。火災による死者は1548人(前回88人)に激増。
市内の建物の約6分の1の14万8191棟が全半壊する予想ですが、
住宅の建て替えによる耐震化が進み、全壊は半減。
揺れによる死者が1695人(同3440人)に減ったことで、死者の総数は減ると予測してます。
液状化の被害も今回から示しました。沿岸部の埋め立て地を中心に7876棟が全半壊。
4分の1の世帯で断水するなどライフラインの被害も大きく、
建物も含めた復旧費用にかかる直接的な経済被害は11兆7千億円に上ると試算。
帰宅困難者は45万人を超え、がれきの量は、東日本大震災の宮城県の
発生量約1570万トンに匹敵する1319万トンに達すると予測しました。
津波の被害が大きい慶長型地震(M8・5)も想定。
金沢区に4・9メートルの津波が襲うなど、7区の2万7047棟が津波で全半壊。
10万人以上が被害を受け、死者は595人にのぼる見込みです。
こう見ると、倒壊よりも、地震の後の火災が最も心配すべき事なのかと思われます。
これを基に住民の皆さまがが減災の取り組みを考えるきっかけになる事が
一番大切なのではないでしょうか。