マグニチュード(M)7級の首都直下地震の発生確率は地域によって差があり、
茨城県や神奈川県で高いことが防災科学技術研究所の試算で分かりました。
首都直下地震の地域別の確率を具体的に推定したのは初めてで、
精度を高めれば防災に役立つ可能性があります。
19日から千葉市で開かれる日本地球惑星科学連合大会で発表する見込み。
首都直下地震は、政府の地震調査委員会が南関東で30年以内に70%の
高い確率で発生を予想していますが、南関東のどこで起きやすいかは分かっていませんでした。
防災科研の井元政二郎主幹研究員らは、南関東で大正15年以降に観測された
約1500回のM5以上の地震と、過去約1100年間に起きた16回の
M7級の震源地を分析し、どこが首都直下地震の震源地になりやすいかを示す
確率分布地図を作りました。
首都直下地震のメカニズムは多様ですが、関東を乗せた陸側プレート(岩板)や
フィリピン海プレートの内部で発生するケースでは、茨城県南部と神奈川県西部で確率が高く、
両地域の中間に位置する東京都と千葉県南部で低くなりました。
地図上の確率は約10キロ四方の狭い範囲で計算したため、高い地域でも1万年に1回程度。
全体の平均値と比べて、茨城県南部は平均で約1・5倍、
神奈川県西部は同約1・4倍高くなりました。
地震調査委が確率計算の根拠とした明治以降の5回のM7級は、
茨城県など首都圏の東部で起きました。
今回の試算では、神奈川県を中心に起きた江戸時代以前の11回のM7級も
対象に含めたため、首都圏の北東と南西で確率が高くなったようです。
この試算は大まかなもので、対象とする過去の地震の選び方などで不確実性が多いのも
確かのようです。より信頼性の高い地図を作って、防災に役立ててもらえれば
それに越した事はありません。
このようなニュースを良く目にしますが、それほど地震大国である事は
皆さんが良く実感されている事ではないでしょうか。
それに対して、備えるか否かの判断はしていかなければならない事ではないでしょうか。