南海トラフで起きる地震で、日本周辺の国々にどのくらいの高さの津波が押し寄せるのかを
推計した研究がまとまりました。
最悪の場合、津波の高さはフィリピンなどで4メートル以上、中国でも2メートル近くになる
という結果で、専門家は、国際的な救助や援助の計画も考える必要があると指摘しています。
この研究は、東京大学総合防災情報研究センターの原田智也特任助教が、
国の研究プロジェクトの一環で初めて行いました。
駿河湾から九州沖にかけての海底に延びる谷筋「南海トラフ」で、
国が想定するマグニチュード9クラスの巨大地震が発生した場合、
周辺の国々にどのくらいの津波が押し寄せるのかシミュレーションしました。
最悪の場合、津波は地震発生から3~4時間でフィリピンなど東南アジア各国に到達し、
高さは広い範囲で4メートル以上、中には8メートルに達するところもありました。
また、津波は九州などを回り込んで中国の沿岸にも到達し、地震発生から9時間後には、
上海周辺で高さ1メートルから2メートル近くになるという結果になりました。
東シナ海は海底が浅く津波が弱まるため、中国にはこれまで影響があまりないと考えられてきましたが、
川を伝って内陸で浸水するおそれは十分にあるということです。
どれだけ巨大な地震が起きる予想なのかが、この事だけでもお分かりになるかと思います。
とにかく、『備えあれば憂いなし』。今できる皆様の備えをしっかりとしておきましょう。