巨大地震が想定される南海トラフ沿いで、地震の規模の割に大きな津波を引き起こす「津波地震」が
発生しかねないとの研究成果を東京大などのチームが13日までにまとめました。
17日付の米専門誌に発表するそうです。
海底下の構造から震源となり得る領域が2カ所見つかった。
2領域はそれぞれ紀伊水道沖と熊野沖の南海トラフ沿いで、いずれも東西60~50キロ、
南北30キロの大きさ。和歌山、徳島、高知各県から近い位置にあるそうです。
チームの朴進午・東大准教授(海洋地球物理学)は「想定される南海トラフ巨大地震とは
メカニズムが異なるため、新たな防災計画が必要かもしれない」と話しています。
南海トラフは東海沖から九州沖へと延びている溝状の海底地形。
この場所から、日本列島が載る陸側のプレートの下にフィリピン海プレートが沈み込んでいます。
2つのプレートの境目に蓄積するひずみは約100~200年間隔で解放され、大地震を起こしてきました。
チームは海水を人工的に揺らし、反射する波を観測してプレート境界の構造を調べました。
プレート境界の浅い場所では、一般に水が入りやすく滑りやすいため、ひずみがたまりにくい。
しかし、問題の領域では、プレート境界の浅い場所でも水が少なく、ひずみがたまりやすいことが分かりました。
たまったひずみが解放されると、周辺の滑りやすいプレート境界にも勢いが波及する可能性があります。
浅い場所でプレート境界が動くと、津波は巨大化しやすいといいます。
政府の地震調査委員会は、南海トラフ沿いで30年以内にマグニチュード8~9級の地震が発生する確率を、
今年1月1日時点で70%程度と評価しています。
この確率をどう考えるかという事もあるかもしれませんが、いずれにせよ、
日本は地震大国である事には間違いありません。
それに地震がいつ起こるかは誰にも分かりません。
そのリスクをどう考えるかは、皆様の判断によるかと思いますが、
少なからず、リスクはあるという事だけは念頭に置いて考える必要はありそうです。