フィリピンに甚大な被害をもたらした台風30号。
今年発生した中では最も強い勢力だったことに加え、
津波のように大きな高潮が発生したことが被害を拡大させたとみられます。
気象庁によると、フィリピン周辺は海面水温が高いため、
しばしば台風が強い勢力で上陸することがありますが、30号は、
その中でも記録的な強さだったといいます。
8日、レイテ島付近に位置していた30号は中心気圧895ヘクトパスカル、
中心付近の最大風速65メートル、最大瞬間風速90メートル。
900ヘクトパスカルを下回ったのは平成22年10月に一時885ヘクトパスカル
となりフィリピン・ルソン島に被害を出した台風13号以来3年ぶりといいます。
さらに、台風など発達した低気圧が通過する際に潮位が大きく上昇する
「高潮」が発生しました。
気圧の低下で低気圧の中心部分の海面は吸い上げられ、
気圧が1ヘクトパスカル低くなると海面は1センチ高くなるとされています。
今回は気圧の吸い上げ効果だけで海面が1メートルは高くなったようです。
高くなった海面には強風が沖から陸に向かって吹き寄せるので、
レイテ湾は波が高くなりやすい遠浅の海岸が続いており、
被害が大きかったレイテ島のタクロバンは、台風を迎え入れるような形で
東向きに海が開けています。
被害状況の様子を見ると、東日本大震災時の津波を彷彿させるような
物ばかりでした。
風は竜巻レベルのものが台風の大きさで吹き荒れ、津波のような高潮が
押し寄せてくる・・・
想像するだけで恐ろしいです。