熊本県の阿蘇山について、気象庁は、先月からマグマ噴火が発生し、活発な噴火活動が続いているとして、
火口の周辺では噴石などに引き続き警戒するよう呼びかけています。
気象庁が8日発表した火山活動の概況によりますと、阿蘇山の中岳第一火口では、
先月25日に噴火が発生して以降、活発な噴火活動が続き、先月27日には溶岩などの噴出物が
火口周辺に飛び散る「ストロンボリ式噴火」が観測されました。
火口の周辺では、溶岩が固まって出来た「スコリア」と呼ばれる石が見つかったほか、
火山灰の中にもマグマが上昇してできたとみられる茶褐色のガラス片などが含まれていたことなどから、
気象庁はマグマ噴火が起きているとしています。
また、地殻変動の観測では、ことしの夏以降、火口の西側の山麓(さんろく)の地盤が
僅かに伸びる傾向の変化が捉えられているため、気象庁は地下にある「マグマだまり」に
マグマが蓄積されている可能性があるとみて、今後の推移を注意深く監視することにしています。
気象庁は、火口からおよそ1キロの範囲では噴火に伴って噴石が飛び散るおそれがあるとして、
引き続き警戒するよう呼びかけています。