昨年3月11日の東日本大震災と4日後に静岡県東部で起きた
マグニチュード(M)6・4の地震によって、富士山のマグマだまりに
噴火を引き起こしかねないほどの大きな圧力がかかったことが
防災科学技術研究所(茨城県つくば市)などのチームの研究で6日、分かりました。
圧力の高まりだけが噴火の要因ではなく、現在のところ、噴火の兆候は
観測されておりません。ただ富士山の直近の噴火である1707年の宝永噴火で
直前の宝永地震により富士山に加わった力より、今回の力は強く、チームは
「地震から数年たってから噴火する可能性もあり警戒が必要」としています。
チームは昨年3月の二つの地震で生じた地殻の変動をもとに、
富士山の直下でマグマが滞留しているマグマだまりにかかった力を推定。
マグマだまりの中心が地下約15キロにあると仮定した場合、
2回の地震により最大で計約1・6メガパスカル(約15・8気圧)の
力がかかったとの結果を得ました。
力の向きはマグマを上下に押しつぶす方向と、東西に引っ張る方向でした。
静岡県東部の地震はマグマだまりの近くで起きたと推定されることから、
大震災より影響は大きかったようです。
富士山も含め、過去には0・1~数メガパスカル程度の力で
噴火した例もあるといいます。
マグマだまりの状態が違うとみられるが、同研究所は
1・6メガパスカルというのは小さくないと指摘しています。
噴火に至っていない理由としては、十分な量のマグマがたまっていなかったことや、
マグマに含まれるガスが十分ではなかったことなどが考えられるそうです。
国は2004年、富士山の噴火による経済的な被害は最大で
約2兆5千億円に上るとの想定を報告。
山が大きく崩れた場合、被災者数は約40万人になるとの専門家の試算もあり、
噴火による被害は甚大とみられます。
火山灰の影響により、首都圏でも交通機関が麻痺してしまう事も考えられます。
最近の山ブームで登山される方も多いかと思いますが、
一面には秘めたる物もあるようですね。。。